2021年ベスト・アルバム
1. TOMORROW X TOGETHER - The Chaos Chapter: FIGHT OR ESCAPE
今年一番よく聴いたK-POP。バキバキのK-POPサウンドにロック的なエッセンスが取り入れられていて純朴ロック村(?)出身の私にはガッツリ刺さりました。「韓国が世界に誇るスタジアム・ロック・バンド、TOMORROW X TOGETHER…」と半分冗談半分本気で言ってしまいまいそうです。サブスクで曲だけを聴いていたので個々のメンバーについては全然知らなかったのですが、最近 Youtube のファン作成入門動画でボムギュくんの可愛さを知ってしまったので来年は本格的に沼にハマってしまいそうです。
2. Official髭男dism - Editorial
バンド名で敬遠していたところ「HELLO EP」で見事に掌返しを決めた私ですが、このアルバムに至ってはもう何も文句のつけようもありません。シリアスな曲も多いアルバムの中で彼らなりのユーモア感覚が炸裂する「ペンディング・マシーン」が良いですね。アカペラを iZotope VocalSynth 2 に通しただけ(!)の1曲目も彼らにしかできない力業って感じで最高です。
3. Really From - S.T.
こういうエモ(音楽ジャンル)寄りのバンドって普段そんなに聴かないし詳しくもないのですが、トランペットの固定メンバーがいて Jazz / Fusion の要素を感じさせるところが私の好みにばっちりフィットしました。トランペットとニューウェーヴ的なシンセが交錯しつつ胸アツ展開に突入する7曲目がかなり良いです。LPも買ったのですが内袋と盤面にでっかくパンとご飯がプリントされたアートワークが凄いです。
4. The Killers - Pressure Machine
まさかここに来てあのキラーズが、「自分たちとは何者か」を突き詰めたような超傑作をリリースするとは思ってもみませんでした。スティールギターやマンドリンなどカントリー的な要素がフィーチャーされており、UKニューウェーブに憧れるアメリカのバンドとしての彼ら独自のサウンドがここに完成しています。サウンド的にもコンセプト的にもU2の代表作『The Joshua Tree』を思い起こさせるものがあり、9曲目なんかは「Running To Stand Still」に「Bullet The Blue Sky」をぶち込んだような曲だなと思います。
コロナ禍に伴う長期の発売延期、そしてエディ・ヴァン・ヘイレンの死を経てようやくリリースされたアルバム。TOTO「Africa」カヴァーなんかもあったし今回もネタ要素強めかなと思いきや(もちろん先人へのオマージュは山盛りですが)ストレートにいい曲が並ぶロック・アルバムになっています。ハード・ロックよ永遠に…。
6. Stewart Copeland, Ricky Kej - Divine Tides
The Police のドラマーとグラミー賞も受賞しているインドの作曲家との共作アルバム。壮大なサウンドとともに心地よい旅行気分を味わえるアルバムでコロナ禍の閉塞感の中よく聴いていました。スチュワート・コープランドのドラミングもたっぷり楽しめます。
歌謡プログレバンド太陽肛門スパパーンによる反オリンピックアルバム。LPのみでのリリースでした。「悲劇のマラソンランナー円谷幸吉が自死することなく1968年メキシコオリンピックBLACK POWER SALUTEに連帯することにより再生、2021東京オリンピックを阻止しに現れる」というコンセプトが凄すぎます。けっきょく東京オリンピックは開催されてしまった訳ですが、最近のニュースを見る限りこのアルバムの持つアクチュアリティはまったく失われていないようです。
8. girl in red - if i could make it go quiet
音楽作ってる人は他人の作品を聴いて「自分がやりたいたいこと全部先にやられてしまった…」と感じることあると思うんですがまさにこれ。
9. For Tracy Hyde - Ethernity
本当に日本のシューゲイズ・ギター ポップシーンを牽引する存在となってしまった For Tracy Hyde の4枚目のアルバム。 「アメリカ」をコンセプトに据えたリリックとオルタナ・グランジに接近したサウンドに必然的な結びつきを持たせる芸当は流石。最終曲のトラップ・ビートには驚かされますがこれは90年代のアメリカから現在のアメリカへの接続を試みているのだと解釈しています。
10. Inhaler - It Won't Always Be Lile This
ボーカルがボノの息子、という決まり文句もそろそろ必要なくなってきた彼らのファースト・アルバム。「My Honest Face」での1,2,3,4...のアレンジや My Generation みたいなスタッター・ボーカルは相当の度胸がないとできないやつですね。アイルランド・ダブリンのポスト・パンク・シーンは本当に充実しています。
ランクに入らなかったけど良かったもの
Orchestre Tout Puissant Marcel Duchamp - We're OK. But We're Lost Anyway
Wednesday - Twin Plagues
Squid -Bright Green Field
アルバムという括りだと漏れちゃう曲も多いですね。2021年良かったものをぶちこんだプレイリストはこちら。
よいお年を。