The World Will Tear Us Apart 『Let's Get Lost』制作ノート - 9.「Teenage Jesus and Casualties」

更新が滞っている間に『Let's Get Lost』はリリース(2019年12月25日)1周年を迎えました。聴いてくださった皆さま、ありがとうございます。

今回はアルバムの核となる曲、Teenage Jesus and Casualties について。

タイトルは「Teenage Jesus and the Jerks」+「TEENAGE CASUALTIES」だと思うのですが詳しくは谷井さんに訊いてください。

 

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この曲も Chill in the Rain と同時期の2012年頃、シンセ+Ableton Live のループという編成での曲作りを試みていた時期の曲です。

 

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谷井さんが microKORG を弾いている初期のライブ。ちなみに今回のアルバムにおいては古めの曲のシンセの音色は microKORG および microKORG XL の音であることが多いです。

 

この曲の話からは外れますが、ドラムレス編成以前の時期の楽曲としてバンド編成でループ的な構成を試み始めた「Goodnight」が存在します。TWWTUAのターニングポイント的な曲です。この頃から私のギターフレーズもだんだんミニマルになっていきます。

 

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この時期は谷井さんがヒップホップ/インディR&Bに傾倒していった時期でもあり、特にこの曲には明確に元ネタがあります。

 

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この曲は2012年リリースのファースト・シングル『HAPPYEND』のカップリングとしてレコーディングが進んでいましたが、シングルのリリースには間に合わず、その後2013年リリースのEPのタイトルトラックとして日の目を見ることになります。ミックス・マスタリングは有村くん(in the blue shirts)。ジャケットはアルバムでも引き続きアートワークを担当してくれた高石瑞希さん。

 

 

イントロ・アウトロの車が通り過ぎる音は富永によるフィールド・レコーディングです。同じ音を逆再生したものを 「S.O.S.」 の後半でも鳴らしています。

徐々にピッチが狂っていくリード・ギターはこの曲のピアノを模したものだった気がします。(EP版は分かりにくかったのでアルバム版ではもう少し激しく揺らしてます。)


 

アルバム版では S.O.S. 〜 Teenage Jesus and Casualties でループするイメージで、アウトロに同じフレーズ(「歌は途切れて…」)が挿入されています。また、ライブ・アレンジを反映して谷井さんのリズム・ギターが入っています。When She Sleep の記事にも書きましたが谷井さんのギターが入ると一気にインディみが増しますね。あとは鉄琴が生音になっていること(國府さんが叩いている)、サビでオートチューンを派手目にかけていること、2番ヴァースで富永がライブでもかけているエフェクトをトラックにかけていることなどがアレンジ面での変化点です。

 

アルバム解説シリーズも残すところあと1曲となりました。次回は最終曲、HAPPYENDについて。