The World Will Tear Us Apart 『Let's Get Lost』制作ノート - 8.「September Song」

アルバム解説シリーズも終盤に差し掛かってまいりました。本日はアルバムの中でもシングル曲っぽさのある「September Song」についてです。

 

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この曲はアルバムの中では比較的新しい(とはいえ5年ほど前の)曲です。谷井さんがコード+メロディのデモを持ってきて富永がビートとシンセのループを打ち込みました。(参照した元ネタの曲があった気がするけど思い出せません…。)きらびやかなシンセのウワモノとサイドチェインのかかったベースがこの曲のキャラクターを決定しています。

 

この曲は2015年の東京初ライブにて初披露されました。谷井さんのエモMCつき。この曲から Teenage Jesus and Casualties に繋がる流れはこのあとのライブでも何度かやっていて、アルバムの曲順でも(シームレスな繋ぎではないものの)踏襲しています。注意深く聴いていただくと富永のコーラスに共通のリズムが用いられていることに気づくかもしれません。

 

 

その後、1年後の9月に SoundCloud にて音源をリリースしています。こちらはサークルの部室でレコーディングしたヴァージョンです。この頃はほぼ Ableton live 付属のプラグインのみでミックスをやっていました。エレキギターはすべてライン録音+アンプシミュレータなのでアルバム版(アンプをマイク録り)と聴き比べていただくと面白いかもしれません。

イントロのギターでは押さえたフレットの12フレット上の位置に触れながらハーモニクスを鳴らすタッチ・ハーモニクスという地味なテクニックを用いています。これはポリスのアンディ・サマーズの影響です。 

 

 

 
アルバム版はトラック以外はすべて新録のヴァージョンとなっています。ハイハットの刻みを無くした代わりにギターのブラッシングとハンドクラップの音を加えてよりフィジカルな感じが増していると思います。生のハンドクラップとリズムマシンのハンドクラップがそれぞれイントロと間奏で別々に登場して、ラストサビで合流するところがミソです。(複数パターンのハンドクラップを同時に鳴らすアイデア欅坂46サイレントマジョリティー」についてTwitterかブログで誰かが言及しているのを見てアイデアのみ拝借しました。元ネタをちゃんと聴かずにパクる、それが俺のやり方…。)
イントロのブレイクでアコギにがっつりフィルターがかかるのは Avicii を意識しました。2020年に Avicii オマージュをやる味わい深さを感じてほしいです(?)(R.I.P. Avicii...)。
 
この曲での私のエレキギターは完全にU2芸人と化しています。西日本で最もジ・エッジに肉薄しているギタリストとしての自負があるのでトリビュート・バンドのお誘いなどお待ちしております。
↓2:43からのフレーズをまんま拝借しています。 
 
アコギによるコードストロークは谷井さんによるものですが谷井さんはこういうビート感のあるバッキングが非常に上手いです。
 
リリース後、Mabase Records 前田くんによるMVが公開されました。こちらからのオーダーとしては敢えて前田くんの得意としていた「高校生」や「海」といったモチーフから離れたものをお願いしたのですが、結果的に素晴らしいビデオを作ってもらえて本当に良かったです(最終的に琵琶湖に行きますが…笑)。キャスティングにも紆余曲折あり、最終的に colormalエナガくんとまさかの監督兼主演前田くんが友情コンビを演じて(?)くれました。関係性に萌えてください。Transit My Youth(一時期サポートギタリストをやっていた) のビデオなどでおなじみの湊川萌さんに撮影・演出で参加してもらえたのも嬉しかったです。
 
そして今年の9月にはオルタナティヴ・バージョンとして「September Song (automatic sessions)」がリリースされました。これは延期になってしまったレコ発京都編からライブに参加予定だったミチルさん(from Labit Room)をボーカル/トランペットに迎え制作した音源です。私はマンドリンを頑張り、ドラムはソフトウェア音源(BFD3)の打ち込みと富永が叩いた生音をミックスしています。automatic sessions というタイトルは Spotify Sessions に呼ばれないので勝手に自分たちでやろう、というコンセプトから来ています。TWWTUAは2020年11月現在、この曲を含むEPを鋭意製作中です。
 
 次回は Teenage Jesus and Casualties についてです。