The World Will Tear Us Apart 『Let's Get Lost』制作ノート - 3.「Chill in the Rain」
本日はアルバム3曲目、ツインボーカルの掛け合いが印象的な「Chill in the Rain 」について。
この曲は2012年頃、ドラムレスの編成で富永のトラックのループを軸にした楽曲作りを試み始めていた時期に生まれた曲です。(同時期の楽曲としては Teenage Jesus and Casualties・こどもの国があります。あとループ期に移行する前の過渡期に富永が Launchpad を叩いて演奏する Weekenders という曲もありました。)
この時期の楽曲は打ち込みを用いてはいるものの、ライブ演奏を前提にセッションでアレンジを組み立ているものが多いです。基本的にはドラムレス・ベースレスの編成で演奏していますが、一時期 ドラム・ベース+同期演奏を試していた時期もありました。
この曲も「Sunday」同様、2013年の『Teenage Jesus And Casualties EP』に収録されています。アルバム版よりもリズムトラックの音色がチープだったり、ベッドルーム感が強めです。
アルバム版では最近のライブ演奏に準じてトラックが全体的にソリッドな感じの音色になっています。イントロだけ寂しかったのでEP版と同じ音にスプリングリバーブをかけて入れています。
ギターは左右のチャンネルで掛け合いになっており、ブレイクのフレーズは左から右に流れていくようにパンのオートメーションを書いています。私がミックスでよく用いるテクニックにスレテオの片方のチャンネルにドライな音、反対側にリバーブ音を鳴らすというのがあって、ナチュラルな音像ではないのですが音の輪郭をぼかさないまま残響感を加えることが出来るので気に入っています。こういう音源でよく聴けますね。
ギター・プレイ的には説明不要の小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」やくるり「横濱ウィンナー」における佐橋佳幸氏のプレイからの影響が大きいです。私の中ではストラトといえば佐橋さんなんです。
サビのシンセは國府さんがパッド的な音色をアルペジエイターで鳴らしており、最初聴いたとき天才だと思った記憶があります。
アウトロはEP版ではフェードアウトですがこちらもライブ版に準じて最後まで収録されています。私と谷井さんがそれぞれ爆音で弾いたギターにシンセのノイズを加えています。
ゴゴゴ… #twwtua_recording pic.twitter.com/c9yzGr6IoO
— sho_hashi (@sho_hashi) 2017年12月3日
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— tanii 『Let's Get Lost』&『ポートラインより』発売中💿 (@the_sekai) 2017年12月2日
次回は4曲目、「こどもの国」について。