The World Will Tear Us Apart 『Let's Get Lost』制作ノート - アルバム全体のイメージ
世間はいよいよ大変なことになってきましたね。不安や苛立ちに負けてしまいそうな日々ですが、『Let's Get Lost』が皆様のささやかな楽しみや心の逃避先、何らかの支えになったら嬉しいです。
今回はアルバム全体のイメージやタイトル、アートワーク等について。あくまでも私の見解なので他のメンバーに聞くと違うかもしれません…。
The World Will Tear Us Apart 1st album の青写真
アルバムのリリース前にこんなプレイリストを公開していました。私がわかる範囲での大まかな影響元です。(他のメンバーに聞いたらまた別のものが出てくると思います。)
個別の曲についてはわりと明確な元ネタがある場合が多いのですがアルバム全体として指針となった作品となると難しいです。(メンバーの中でも共通見解があったわけではないですし…。)個人的には U2 の Achutung Baby みたいなアルバムにしたいという気持ちがありました。夜が似合う、混沌とした、でも不思議と統一感のあるアルバム…。
アルバムタイトル
私がギターを弾いていたラグチューシャックのというバンドの『ALONE / TOGETHER』というアルバムがあり、タイトルはジャズでよく演奏されるスタンダード・ナンバーから取っているのですが、今回も同様にスタンダード・ナンバーから取るのがよいのでは?ということになりました。(Let It Snow、September Song などもそうらしい。)チェット・ベイカー、好きです。
チルウェイヴ的なエスケーピズム(逃避主義)にもマッチしていると思います。あと Feather Shuttles Forever「提案」のキラー・フレーズ「失踪しませんか」も頭にありました。失踪したいですよね…。
採用されなかった案:
Easy Way Out
'Round Midnight
W.A.V.E. (We All Vanished Entirely)
tiny escape
お葬式
etc...
アートワーク
前作『Teenage Jesus And Casualties EP』から引き続き高石瑞希さんにお願いしています。前作から6年経ってしまったことも有り、「お待たせしました」「待っていてくれてありがとう」の意味を込めて前作からの連続性を感じさせるアートワークをお願いしました。結果、前作の世界観を引き継ぎつつ次の世界が見えるようなアートワークを見事に描いてくれました。完成版を見たとき、高石さんにこの絵を描いてもらうためにアルバムを作っていたんだな…とまで思いました。
高石さんのウェブサイト内、TWWTUAのコーナー(ありがたい!)にてジャケット絵のラフバージョンなどが見られます。
次回は紆余曲折を経て誕生した1曲目「S.O.S.」について書こうと思います。